富士山に登って一番驚いたのは、正直「砂」でした。
覚悟はしていたつもりでしたが、実際は想像を大きく超えていました。下山後、家に帰って鼻をかんだら真っ黒。しかも一度だけでなく、何度もです。それだけ、気づかないうちに全身が砂まみれになっていました。
準備編・登山編でも触れましたが、この記事では「富士山の砂」に焦点を絞って、正体・体への影響・本当に効果を感じた対策グッズを詳しくまとめます。これから富士山に挑む方の参考になれば嬉しいです。
富士山の「砂」の正体は火山灰ではなくスコリア
富士山の登山道を覆っている黒っぽい砂、なんとなく「火山灰」のイメージを持つ方も多いと思います(私自身もそう思っていました)。そこで、調べてみました。
正体はスコリア(火山礫)と呼ばれるものです。玄武岩質のマグマが冷えて固まる際、含まれていた水分やガスが抜けて多孔質になった、黒っぽい砂礫のこと。専門的な分類でいう「火山灰」は粒径2mm未満の細かい噴出物を指しますが、富士山の登山道を覆っているのは、それより粒の大きいスコリアが主体です。
ただし、これだけ多くの登山者に日々踏まれ続けているため、細かく砕けて灰のように舞う粒子も相当量含まれています。実質的には「火山灰のように舞う黒い砂」と考えて対策しておいて間違いありません。
想像以上でした。全身砂まみれレポート
登り
初日は曇り空で、樹林帯もないため、登り自体はそこまで強く砂を感じませんでした。ただ木がないぶん、常に多少の砂は舞っている状態です。山小屋に到着して汗拭きシートで顔や体を拭いてみたところ、シートが真っ黒になり、初めて「思っていた以上に付着していたんだ」と気づきました。
下り
下山道は終始砂利道で、常に砂が舞っている状態でした。全身が完全に砂まみれになる感覚です。
- リュックとは別に、貴重品や行動食を入れるために首から下げていたサコッシュの中身まで砂は入り込んでいました。
- 通気性の良い服・アンダーウェアを着ていても、体を拭いたら真っ黒だった(露出部分だけの話ではない)
- 帰宅後、お風呂で頭を洗うと、浴室のタイルの目地に砂が溜まるほど
- 鼻をかむと、何度も真っ黒な鼻水が出た
- 一緒に登った友人は、下山後1日ほど経ってから顔が荒れてしまった
その場ですぐに症状が出るとは限らず、後から響いてくることもあるようです。肌が弱い方は特に注意した方がいいと感じました。
本当に効果を感じた・必要だと思った砂対策グッズ
ヤケーヌ(顔・首の日除けカバー)
準備編で紹介したヤケーヌは、日焼け対策としては本当に優秀でした。口元が開いている設計で呼吸がしやすく、水分補給も外さずにできる点は大きなメリットです。
ただし、砂対策として見ると評価は変わります。呼吸がしやすいということは、それだけ砂も吸い込みやすいということでもあります。日焼け対策としては優れていますが、下山時の砂埃対策としては、口元をしっかり覆えるタイプのマスクの方が向いているというのが実感です。特に肌が弱い方は、下りだけでもヤケーヌからネックゲイターやマスクに切り替えるのがおすすめです。
▼使用したヤケーヌはこちら
▼ネックゲイター(下山時におすすめ)
ゲイター(足元用)
靴の中への砂の侵入を防ぐには、足元用のゲイターがほぼ必須です。
雨の時だけでなく、下山効果を発揮します。
▼ゲイターはこちら
ザック用の防水・防塵インナーバッグ
先述の通り、首から下げた小さいバッグの中身まで砂まみれになった経験から、貴重品やスマホ、行動食は防水・防塵タイプのインナーバッグやポーチにひとまとめにしておくのがおすすめです。
また、雨の時にザックの中身が濡れないように、ザックカバーも必要です。
ザックカバーとは別に、ザックの中にゴミ袋を入れ、その中に荷物を入れることもお勧めします。
レインウェア(上下セット)は必須
夏場は暑くて着たくない気持ちも正直ありますが、富士山では上下セットのレインウェアは必須装備です。山の天候は急変しやすく、風も強いため、濡れることは想像以上に体力を奪います。通気性が低い分、防風・防砂の役割も果たしてくれます。
実際、入山料(4,000円)を支払う際に、レインウェア上下を持っているかどうかチェックされる仕組みになっていました(チェックを入れる形式)。
私はレインパンツを持っていなかった為にポンチョのみでした。本来であればNGでしたが、雨が降らなかったので問題なく登山ができました。
とりあえず、私はモンベルで探してみようと考えています。お手頃な価格帯のレインウェアもあるようなので、参考にしてください。
▼レインウェアはこちら
あわせて用意しておきたいもの
ヘルメット
富士山は活火山であり、突発的な噴火や落石・転倒などのリスクがあるため、ヘルメットの携行が推奨されています。吉田ルートでは6合目の「富士山安全指導センター」で無料貸し出しがありますが、デポジット(預かり金)として2,000円が必要です(破損・紛失がなければ返却時に全額返金)。数に限りがあるため、確実に借りたい場合は事前準備をしておくと安心です。
ヘッドライト
富士山では、ご来光を目指す行程上ほぼ確実に使用することになります。普段の登山では必須ではない方でも、富士山では必ず用意しておきたいアイテムです。装着位置は頭よりも首掛けタイプがおすすめです。頭に付けると血の巡りがやや滞る感覚があり、首から下げた方が足元も見やすく感じました。
▼ヘッドライトはこちら
スマホ・カメラの落下防止グッズ
ご来光や雲海など、撮影機会が多い富士山。登山道は舗装路ではないため、万が一落としてしまうと拾えない可能性があります。ストラップやカラビナでザックやベルトに固定できると安心です。
▼落下防止ストラップはこちら
汗拭きシート(多めに)
山小屋ではお風呂に入れず、下山後もツアーによってはすぐに入浴できるとは限りません。体を拭くシートは多めに持っていくと、山小屋や移動中の快適さがかなり変わります。
▼汗拭きシートはこちら
まとめ
富士山の「砂」は、正体を知らずに挑むと想像以上のダメージを受けます。日焼け対策と砂対策は似ているようで実は異なるポイントもあるので、両方を意識した装備選びをしておくと、下山後の後悔がかなり減らせると思います。
準備編・登山後編とあわせて、これから富士山に挑む方の参考になれば嬉しいです。
