【品質管理15年】製氷機の氷で一般細菌が出た原因と清掃手順|浄水フィルター・排水口の盲点

食品衛生・品質管理の知恵袋

この記事でわかること

  • 製氷機の氷で 菌が出る/臭う ときに多い原因
  • 「掃除しても改善しない」場合の盲点(浄水フィルター・排水)
  • 月1回を目安にした清掃手順(閉店前〜閉店後にできる)
  • 次亜塩素酸ナトリウムを使うべき場面/避けたい場面

※注意:製氷機はメーカー・機種で推奨清掃方法が異なります。基本は 取扱説明書・メーカー推奨が最優先。この記事は現場で困ったときの“考え方と運用例”です。


そもそも「氷」は汚れます(見た目がキレイでも)

前職のカフェで苦労したのが、製氷機の「氷」。
氷を微生物検査すると菌が出てしまうことがありました。

当時、検査で出ていたのは 一般細菌
清掃しても数値が落ちきらず、原因探しにかなり苦労しました。

氷って透明だし、上から新しい氷が落ちてくるから清潔そうに見える。
でも実際は、下の方や底面周辺に汚れが溜まっていることが多いです。


原因①:浄水フィルターが“盲点”になる(掃除しても終わらない)

「キレイな水で氷を作りたい」と思って、給水ラインに浄水フィルターが入っている店があります。
パッと見は良さそうに見えるけど、これが盲点になることがあります。

うちの場合は、製氷機を設置した業者が 給水ラインに浄水フィルターを取り付けていました。
庫内を清掃しても一般細菌が出続けたため、私が製氷機メーカーに問い合わせたところ、

「取り付ける業者もいるが、菌が出るケースがあるので推奨していない」

という回答でした。

フィルター自体が悪いというより、交換管理・配管環境・運用によって結果が変わりやすいイメージです。
要するに、水道水に含まれている塩素が取り除かれた水は、すぐに汚染されてしまうのです。
だから、庫内を掃除しても改善しないときは“給水ライン(フィルター含む)”を疑うのが早道だと感じました。

チェックポイント

  • 給水ラインに 浄水フィルターが入っていないか
  • いつから菌が出るようになった?(フィルター設置・交換と時期が重ならないか)

原因②:開け閉めで汚れを持ち込む(いちばん多い)

これが一番多いパターン。
飲料を提供しているお店は開閉が多いので、そのたびに知らぬ間に汚れを持ち込んでいます。

  • 氷スコップの使い方、置き方が不衛生
  • 手が濡れたまま触る
  • 扉の内側や壁面に手が当たる、飲料がこぼれる
  • 扉を開けっぱなしにしている時間がある
  • 底面がヌルついてくる

「氷は冷たいから菌は増えない」と思いがちですが、製氷機の庫内は“冷凍庫”とは違うことが多いです。
(機種によって違いはあるけど、庫内を冷凍しているというわけではなく、氷があるから冷えている状態になっている)

壁・扉・底面などに触れる箇所は少しずつ氷が溶けて水になり、汚れと一緒に底の方へ流れていきます。
だから、下の方に汚れが溜まりやすいです。


原因③:底面・排水口・排水管の汚れ/臭い上がり

溶けた水は底面の排水口に流れます。
排水管は下水につながるため、構造や汚れ具合によっては 排水の臭いが上がることもあります。

  • 庫内が臭う
  • 排水口周りがヌルつく
  • 排水管の汚れが強い(下水臭が上がる)

こういう時は庫内だけでなく、排水口・排水周りが原因のことも多いです。


清掃頻度の目安(現場向け)

使用頻度にもよりますが、私は 最低でも月1回を推奨します(使用が多い店ほど)。

  • 使用が多い店:最低 月1回
  • 臭い・ヌメリが出やすい:2週に1回も検討
  • 使用が少ない/管理が良い:2か月に1回+日々の点検でもOK

日々の“簡単チェック”(30秒)

  • 扉の内側に汚れ・ベタつきがないか
  • 氷スコップが清潔に保管されているか
  • 底面に黒ずみ・ヌメリがないか
  • 臭いがないか

【基本】月1回の清掃手順(閉店前〜閉店後に回す)

清掃は理想は閉店後ですが、実際は氷の量が多くて時間もかかるので、私の職場では 閉店前の夕方ごろから取り掛かることが多かったです。
(営業で必要な氷は先に確保してから、残りを捨てて清掃に入る運用)

準備

  • (営業中なら)必要な氷を別で確保
  • 手袋、清潔なペーパー、ゴミ袋
  • 氷を捨てる場所を確保(シンクがすぐ埋まる)

手順

  1. 電源を切る(または製氷停止)
  2. 庫内の氷をすべて捨てる
    • 大量なので、シンクがすぐ満杯になる
    • お湯などで溶かしながら捨てると早い
  3. 庫内に水を流して、汚れを洗い流す
  4. 清潔なペーパーで拭き上げる
  5. よく乾燥させる(湿りが残ると臭いの元)
  6. 臭いがないことを確認して電源ON → 氷を作り始める

消毒(アルコール/次亜塩素酸)は「必要な時だけ」

庫内を拭くときは、アルコールや次亜塩素酸ナトリウム溶液を使って清掃しがちですが。

汚れ・臭いがないなら「洗浄+乾燥」で十分

汚れの蓄積や臭いがない場合は、毎回アルコールや次亜塩素酸で拭く必要はありません。
むしろ薬剤を頻繁に使うことで、庫内のコーティングや部材を傷めて 逆に汚れやすくなる可能性があります。

汚れがひどい/臭いがある/菌が出るときは「次亜塩素酸」を検討

  • 底面のヌメリが強い
  • 排水口周りが汚れている
  • 臭いがある
  • 検査で一般細菌が出た(原因がはっきりしない)

こういう時は、次亜塩素酸ナトリウム溶液での清掃が有効なケースがあります。

使い方の目安(現場運用)

  • 排水口へ流す
  • 庫内を拭き上げる(汚れの強い箇所)

注意(必ず)

  • 換気・手袋
  • 使用後は 水拭き → 乾拭き(薬剤を残さない)
  • 金属・ゴム部材は影響が出る場合があるので取説確認

※次亜塩素酸ナトリウム溶液希釈の早見表はこちら▶▶▶


「掃除しても菌が出る」時のチェックリスト

  • 給水ラインに浄水フィルターがあるか(交換できているか)
  • 排水口には排水キャップがはめられているか、ズレていないか
  • 氷スコップの保管が不衛生になっていないか
  • 開閉が多い時間帯の運用(手が濡れたまま触ってないか)
  • 底面・排水口・排水管の臭い/ヌメリ
  • 清掃後に“乾燥”が不十分ではないか
  • 機種としてメーカー推奨の内部洗浄が必要ではないか

まとめ

製氷機のトラブルは「庫内を掃除すれば解決」と思いがちですが、実際は
給水ライン(浄水フィルター)・開閉による持ち込み・底面/排水の3点セットで起きがちです。

だからこそ、原因を切り分けて、
月1回のリセット清掃+日々の簡単チェックを回すのが一番効きます。


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