この記事でわかること
- 製氷機の氷で 菌が出る/臭う ときに多い原因
- 「掃除しても改善しない」場合の盲点(浄水フィルター・排水)
- 月1回を目安にした清掃手順(閉店前〜閉店後にできる)
- 次亜塩素酸ナトリウムを使うべき場面/避けたい場面
※注意:製氷機はメーカー・機種で推奨清掃方法が異なります。基本は 取扱説明書・メーカー推奨が最優先。この記事は現場で困ったときの“考え方と運用例”です。
そもそも「氷」は汚れます(見た目がキレイでも)
前職のカフェで苦労したのが、製氷機の「氷」。
氷を微生物検査すると菌が出てしまうことがありました。
当時、検査で出ていたのは 一般細菌。
清掃しても数値が落ちきらず、原因探しにかなり苦労しました。
氷って透明だし、上から新しい氷が落ちてくるから清潔そうに見える。
でも実際は、下の方や底面周辺に汚れが溜まっていることが多いです。
原因①:浄水フィルターが“盲点”になる(掃除しても終わらない)
「キレイな水で氷を作りたい」と思って、給水ラインに浄水フィルターが入っている店があります。
パッと見は良さそうに見えるけど、これが盲点になることがあります。
うちの場合は、製氷機を設置した業者が 給水ラインに浄水フィルターを取り付けていました。
庫内を清掃しても一般細菌が出続けたため、私が製氷機メーカーに問い合わせたところ、
「取り付ける業者もいるが、菌が出るケースがあるので推奨していない」
という回答でした。
フィルター自体が悪いというより、交換管理・配管環境・運用によって結果が変わりやすいイメージです。
要するに、水道水に含まれている塩素が取り除かれた水は、すぐに汚染されてしまうのです。
だから、庫内を掃除しても改善しないときは“給水ライン(フィルター含む)”を疑うのが早道だと感じました。
チェックポイント
- 給水ラインに 浄水フィルターが入っていないか
- いつから菌が出るようになった?(フィルター設置・交換と時期が重ならないか)
原因②:開け閉めで汚れを持ち込む(いちばん多い)
これが一番多いパターン。
飲料を提供しているお店は開閉が多いので、そのたびに知らぬ間に汚れを持ち込んでいます。
- 氷スコップの使い方、置き方が不衛生
- 手が濡れたまま触る
- 扉の内側や壁面に手が当たる、飲料がこぼれる
- 扉を開けっぱなしにしている時間がある
- 底面がヌルついてくる
「氷は冷たいから菌は増えない」と思いがちですが、製氷機の庫内は“冷凍庫”とは違うことが多いです。
(機種によって違いはあるけど、庫内を冷凍しているというわけではなく、氷があるから冷えている状態になっている)
壁・扉・底面などに触れる箇所は少しずつ氷が溶けて水になり、汚れと一緒に底の方へ流れていきます。
だから、下の方に汚れが溜まりやすいです。
原因③:底面・排水口・排水管の汚れ/臭い上がり
溶けた水は底面の排水口に流れます。
排水管は下水につながるため、構造や汚れ具合によっては 排水の臭いが上がることもあります。
- 庫内が臭う
- 排水口周りがヌルつく
- 排水管の汚れが強い(下水臭が上がる)
こういう時は庫内だけでなく、排水口・排水周りが原因のことも多いです。
清掃頻度の目安(現場向け)
使用頻度にもよりますが、私は 最低でも月1回を推奨します(使用が多い店ほど)。
- 使用が多い店:最低 月1回
- 臭い・ヌメリが出やすい:2週に1回も検討
- 使用が少ない/管理が良い:2か月に1回+日々の点検でもOK
日々の“簡単チェック”(30秒)
- 扉の内側に汚れ・ベタつきがないか
- 氷スコップが清潔に保管されているか
- 底面に黒ずみ・ヌメリがないか
- 臭いがないか
【基本】月1回の清掃手順(閉店前〜閉店後に回す)
清掃は理想は閉店後ですが、実際は氷の量が多くて時間もかかるので、私の職場では 閉店前の夕方ごろから取り掛かることが多かったです。
(営業で必要な氷は先に確保してから、残りを捨てて清掃に入る運用)
準備
- (営業中なら)必要な氷を別で確保
- 手袋、清潔なペーパー、ゴミ袋
- 氷を捨てる場所を確保(シンクがすぐ埋まる)
手順
- 電源を切る(または製氷停止)
- 庫内の氷をすべて捨てる
- 大量なので、シンクがすぐ満杯になる
- お湯などで溶かしながら捨てると早い
- 庫内に水を流して、汚れを洗い流す
- 清潔なペーパーで拭き上げる
- よく乾燥させる(湿りが残ると臭いの元)
- 臭いがないことを確認して電源ON → 氷を作り始める
消毒(アルコール/次亜塩素酸)は「必要な時だけ」
庫内を拭くときは、アルコールや次亜塩素酸ナトリウム溶液を使って清掃しがちですが。
汚れ・臭いがないなら「洗浄+乾燥」で十分
汚れの蓄積や臭いがない場合は、毎回アルコールや次亜塩素酸で拭く必要はありません。
むしろ薬剤を頻繁に使うことで、庫内のコーティングや部材を傷めて 逆に汚れやすくなる可能性があります。
汚れがひどい/臭いがある/菌が出るときは「次亜塩素酸」を検討
- 底面のヌメリが強い
- 排水口周りが汚れている
- 臭いがある
- 検査で一般細菌が出た(原因がはっきりしない)
こういう時は、次亜塩素酸ナトリウム溶液での清掃が有効なケースがあります。
使い方の目安(現場運用)
- 排水口へ流す
- 庫内を拭き上げる(汚れの強い箇所)
注意(必ず)
- 換気・手袋
- 使用後は 水拭き → 乾拭き(薬剤を残さない)
- 金属・ゴム部材は影響が出る場合があるので取説確認
※次亜塩素酸ナトリウム溶液希釈の早見表はこちら▶▶▶
「掃除しても菌が出る」時のチェックリスト
- 給水ラインに浄水フィルターがあるか(交換できているか)
- 排水口には排水キャップがはめられているか、ズレていないか
- 氷スコップの保管が不衛生になっていないか
- 開閉が多い時間帯の運用(手が濡れたまま触ってないか)
- 底面・排水口・排水管の臭い/ヌメリ
- 清掃後に“乾燥”が不十分ではないか
- 機種としてメーカー推奨の内部洗浄が必要ではないか
まとめ
製氷機のトラブルは「庫内を掃除すれば解決」と思いがちですが、実際は
給水ライン(浄水フィルター)・開閉による持ち込み・底面/排水の3点セットで起きがちです。
だからこそ、原因を切り分けて、
月1回のリセット清掃+日々の簡単チェックを回すのが一番効きます。
