【品質管理15年】異物は入り口でブロック!届いた食材の「ここだけは見てほしい」3つのサイン

食品衛生・品質管理の知恵袋

これまでの記事で、手洗いや冷蔵庫の管理など「お店の中」でのルールについてお話ししてきました。でも、実はそれと同じくらい重要なのが、**「お店の外から入ってくる食材のチェック」**です。

「いつも頼んでいる業者さんだから大丈夫」 「忙しいから、とりあえず納品口に置いておいてもらおう」

そんな風に、検品を後回しにしていませんか? 15年の品質管理の現場で私が痛感したのは、**「入り口(受け入れ)で防げなかったトラブルは、後から取り返すのが非常に難しい」**という事実です。

今回は、忙しい現場でもここだけは絶対に見逃してほしくない、**食材受け入れ時の「3つのサイン」**をお伝えします!


1. 【サイン①】温度は適切か?(鮮度のチェック)

食材が届いた瞬間、まず確認してほしいのが**「温度」**です。

  • 冷蔵品・冷凍品は冷たいまま届いているか: 配送トラックの冷蔵・冷凍庫が適切に動いていたかを確認します。特に夏場、冷凍品が少し溶けていたり、冷蔵品がぬるかったりする場合は要注意。そのまま受け取ると、お店の冷蔵庫に入れても鮮度の劣化が早まり、食中毒のリスクも高まります。
  • すぐに収容する: 検品が終わったら、一秒でも早く冷蔵庫・冷凍庫へ。納品口に放置された数十分の間に、菌は着実に増殖しています。


2. 【サイン②】包装にダメージはないか?(異物・虫のチェック)

次に、食材を包んでいる**「パッケージの状態」**をよく観察してください。

  • 破れや潰れ: 袋が破れていれば、そこから異物や虫が入り込んでいる可能性があります。
  • 濡れ・汚れ: 包装が異常に濡れていたり汚れていたりする場合、他の食材の液漏れが付着しているかもしれません。
  • 段ボールの持ち込みNG: しつこいようですが、段ボールのままキッチンに持ち込むのは絶対にやめましょう。段ボールの隙間は虫の絶好の隠れ家。受け入れの段階で、プラスチックコンテナや専用の棚に移し替えるのがプロの現場の鉄則です。

私は前職で納品された段ボールに鳥の糞が付着していたことがありました。検査で使用する器具が入った段ボールです。汚染された環境に置かれた器具を使用して検査をして、検査結果に影響してしまったら大変な損害になります。返却し、改善を求めたことがあります。


3. 【サイン③】「日付」と「中身」は合っているか?(表示のチェック)

最後は、最もミスが起きやすい**「期限と品目」**の確認です。

  • 消費期限・賞味期限: 「期限が明日までだった!」という納品ミスは意外と多いもの。お店のルールに合った残日数が確保されているか、必ずその場で確認します。
  • 品目の間違い: 似たようなパッケージの別商品が届いていないか。特にアレルギーに関わる食材を扱っている場合、この間違いは命取りになります。

4. 現場の知恵:納品業者さんは「パートナー」

カフェチェーンの現場を回っていると、「業者さんが急いでいるから、じっくり検品できない」という声も聞きます。

でも、忘れないでください。納品伝票にサインをした瞬間に、その食材の責任は「お店」に移ります。

不備を見つけたら、その場ですぐに業者さんに伝え、受領拒否や交換をお願いする。これは「うるさい客」ではなく「プロとしての正当な業務」です。 普段から「いつもありがとうございます。でも、うちはここだけは厳しくチェックしているんです」と伝えておくことで、業者さんとの信頼関係も深まり、納品の質も上がっていきますよ!


まとめ:検品は「お店を守る」最初の砦

食材の受け入れは、お店の安全を左右する大切な儀式です。

  1. 温度を確認する(冷たいままか)
  2. 包装を確認する(破れ、段ボールの放置厳禁)
  3. 日付と中身を確認する(期限切れ、品目違いはないか)

「いらっしゃいませ!」とお客様を迎える前に、まずは「いらっしゃいませ」と食材を厳しく迎えることから始めてみましょう。


次回のテーマは:「うっかりミスを仕組みで防ぐ。ダブルチェックを定着させる『表示と期限管理』の工夫」をお届けします。

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