はじめに
クレーム対応で一番怖いのは、原因そのものより「初動のミス」で話がこじれることです。
本記事は、店舗でも工場でも共通して使える “初動だけ”の手順書としてまとめます(深掘りは別記事に分けます)。
最優先:現物は捨てない・洗わない・壊さない
クレーム対象(製品・異物・包装・付属物など)は、事象が終わるまで保管します。
一度捨てたり洗ったりすると、証拠が消えて原因が追えません。
- できれば 袋や容器に入れて密閉
- 飲食物は状態変化を避けるため、原則 冷蔵保管
- 微生物が疑われる場合(カビ、とろみ、異臭など)は、受領直後の検査が優先(時間が経つほど状態が変わる)
初動で絶対にやる3つ
ここだけは、店舗でも工場でも変わりません。
1)現物を確認する
- 何が起きている?(異物/破損/漏れ/におい/色/とろみ など)
- いつ気づいた?どこで?誰が?
- “異常”は再現する?(見た目で確認できるか)
2)写真を撮る(証拠の固定)
写真は「報告書の材料」になります。最低限はこれ。
- 全体(商品・包装・状況が分かる)
- 異常部位(破損・漏れ・異物の位置)
- 異物の拡大:物差し(スケール)と一緒に/角度を変えて複数枚
- ロット情報(賞味期限・製造所固有記号・ロット等)
- 比較対象(類似物があれば並べて撮る)
※小さい異物は、可能なら拡大(ルーペ/顕微鏡画像)も残す
3)ロット/情報を確保する
工場によって形式は違いますが、一般的に「賞味期限」「製造所固有記号」「製造ロット(時間・号機等が追える情報)」で、製造記録に遡れるようになっています。
一次分類(この型で切り分ける)
現物確認が終わったら、まずはこの分類に当てはめます。
- 外装不良:破損、潰れ、シール不良、液漏れ など
- 風味異常:におい移り、変な味、薬品臭/油臭 など
- 異物混入:毛、虫、紙、樹脂片、金属片、カビ様 など
- 体調不良:飲食後の吐き気、腹痛など(※医療判断はしない)
- その他:上記に当てはまらないもの
ここで「どれに近いか」が決まると、次の調査(深掘り)に最短で進めます。
NG行動トップ3
これをやると、だいたいこじれます。
- 現物を捨てる/洗う/壊す(証拠が消える)
- 原因を断定して言い切る(確認できていないのに「あり得ない」は逆効果)
- 改善策なしで最終回答する(“次からどうするか”がないと不信感が残る)
次の一手(連絡・エスカレーションの原則)
ここはケースバイケースなので、初動記事では“原則”だけ書きます。
- まずは **事実(現物・写真・ロット・一次分類)**を揃える
- そのうえで、店舗なら本部/責任者、工場なら品質保証/製造など、判断できる窓口へ共有
- 「断定」ではなく「調査中」「確認中」で伝える(誠実さが残る)
次に読む
- 微生物疑い(カビ・とろみ・異臭)の深掘り
- 外装不良(液漏れ・破損)の深掘り
- 風味異常(におい移り・検査は異常なしになりやすい)の深掘り
- 異物混入(毛・虫・樹脂・金属など一次判定)の深掘り
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